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「ネットで噂になってますね。いよいよ一般に進出かって」
「評価はうれしいけど、僕はエロで世に出た人間だからね。これからもエロでやっていきたいと思ってるよ。ただ、一般誌にも僕の作品を見てくれる編集者がいたのは素直にうれしいよね」
本城は紅茶のカップをテーブルに置き、壁の時計をちらっと見た。
「わー、可愛い猫ちゃんですねー」
あたしが足下にまとわりついてくる仔猫を膝に抱え上げる。
「ナタリーが初めての人になつくなんて珍しいな。いつも奥から出てこないのに」
「まだ仔猫ですね。ぬいぐるみみたい」
マンションの廊下で指にまぶした餌はドライフードの最高峰ロイヤルカナン。どんな猫もイチコロの高級プレミアムフードだ。
本城の猫狂いは安藤先輩から聞いていた。アシスタントの食事は忘れても、猫の給餌時間は忘れないという。
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