第3章 イケメン漫画家の裏の顔は…

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「僕はメスの仔猫しか飼わないんだ。七ヶ月を過ぎたら人にやってしまう。かわいいのは七カ月まで。あとは熟女だ。熟女猫。僕は熟女は嫌いでね」 あたしはちっ、と舌打ちした。前回は熟女好きで今回は熟女嫌い。なんだかなー。 「でも七ヶ月で人にあげちゃうんじゃ、先生、まるでブリーダーみたいですね」 心中はおくびにも出さず、笑顔で話を合わせる。 「ははは、よく言われるよ。実際、引き取り手はいくらでもいるんだ。三十万を超える血統書付きの高級猫ばかりだからね。あ、紅茶もう一杯飲む?」 「はい、ぜひ!」 やったぜ! あたしはキッチンへ向かう漫画家の背中を見ながら拳を握り締めた。
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