第3章 イケメン漫画家の裏の顔は…

15/22

602人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
本城は新しい紅茶を入れて戻ってきた。高級そうなクッキーの缶も一緒だった。 「いやあ、君、猫好きだったの? 早く言いなよ。うれしいなー。安藤くんは猫アレルギーだったから、ウチに来るときは大変だったんだよ。首に変なブツブツみたいのが出てたもんな」 「あたしは猫超ラブです。で、書き下ろしの件なんですけど――」 言い終わる前に、本城が「でもさ」と声を被せてきた。 「猫好きに悪い人はいないよね。アメリカの小説に、猫好きの人の前で、猫嫌いが猫好きのフリをするのは難しいって一節があるんだけど、あれ、よくわかるよ。安藤くんは猫が嫌いだったもんな。すぐわかったよ」
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

602人が本棚に入れています
本棚に追加