第3章 イケメン漫画家の裏の顔は…

22/22
601人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
「ま、君ならいいか」 押しに負けた、といった感じで肩をすくめた。 「ありがとうございます!」 うしし、とあたしは小さく舌を出した。 猫好きの男は、女の突飛な行動に逆らえない。無防備に飛び込んでくる相手にどうしても惹かれてしまう。膝の上にいきなりのってくる動物が愛おしくてたまらない、それが猫派の男だ。 本城は「玄関で待っていてくれ」と言い残し、仔猫の水を交換するため、リビングへ戻っていった。 書庫を出るとき、あたしは棚から取り出した大判のSM写真集を元の位置に戻した。『食い込む縄』というタイトルが目に入る。 よーし、食い込んでる、食い込んでるぞ!
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!