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「ま、君ならいいか」
押しに負けた、といった感じで肩をすくめた。
「ありがとうございます!」
うしし、とあたしは小さく舌を出した。
猫好きの男は、女の突飛な行動に逆らえない。無防備に飛び込んでくる相手にどうしても惹かれてしまう。膝の上にいきなりのってくる動物が愛おしくてたまらない、それが猫派の男だ。
本城は「玄関で待っていてくれ」と言い残し、仔猫の水を交換するため、リビングへ戻っていった。
書庫を出るとき、あたしは棚から取り出した大判のSM写真集を元の位置に戻した。『食い込む縄』というタイトルが目に入る。
よーし、食い込んでる、食い込んでるぞ!
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