第4章 潜入!フェティッシュビル

2/73
601人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
* 漫画家の告白 エレベーターであたしたちは地下の駐車場へ降りた。 本城が電子錠で赤い車のロックを外す。車に詳しくないあたしでも、フェラーリのエンブレムぐらいはわかった。ポール・スミスのジャケットできめた本城は、黒革のシートに怖いくらいよく似合う。 あたしは2シートの助手席に体を沈めた。 車内には柔らかなフレグランスが漂っていた。 隣を見ると、ギリシャ彫刻のような彫りの深いマスクが目に入る。くらっとしかけるが、書庫での「Lのポーズ」を思い出し、浮ついた気持ちを頭から追い払う。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!