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「うん、顔に描いてある。早瀬あかりにやらせろって」
安藤先輩はタバコを手に笑った。
眩しそうに空を見上げ、それからまた煙を吐いた。
「あんたの好きにやっていいから。インモラルを残すも潰すも好きにすりゃいいよ」
「簡単に言わないでくださいよ」
ふて腐れるあたしの額を、先輩がコツンと拳で小突いた。
「らしくねえぞ、早瀬あかり。こういうときは、任せてください、でいいんだよ」
あたしは黙っていた。
素直にそう口にできないのは香坂のことが頭にあったからだ。男の嫉妬を買うのはうんざりだった。仕事は好きだが、会社という組織はどうしても好きになれない。
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