第1章 私はエロ漫画の編集者

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「責任を上の人に押しつけて逃げる気ですか?」 あたしはドリンクバーでついだぬるいコーヒーを口に含んだ。 編集長は「漫画家とモメたら俺を悪者にして逃げきれ」と口癖のように言うのだが、大本営の立てる作戦はいつだって前線の実態とはかけ離れている。 「ひどいですよ。あれだけ垂れた胸で僕を煽ったくせに、今になってやっぱり美乳の女にしろだなんて。熟女の良さしかわからない僕を切り捨てるつもりですか?」 皿を下げに来たウェイトレスがあたしの胸を一瞥する。 二十歳そこそこの若い男から「垂れた胸で煽った」だの「やっぱり美乳の女にしろ」だの「僕を捨てるのか」だのと訴えられる二十九歳の女も同じく世間の耳目を集める。
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