第1章 私はエロ漫画の編集者

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「ちなみにその原作者さんは僕のキャラデザインを見て、なんとおっしゃってるんですか?」 「まあ、ちょっと胸が大きすぎるんじゃないかって…」 実際はそんな生やさしいものではなく、「なんだ、この化け物みたいなオッパイは。伏せたお碗のような美乳を描かんか」と怒鳴ったらしい。 人気官能小説家だか何だか知らないが、あたしから見ればどっちもどっちだ。 パフェと一緒に追加で注文したマンゴープリンが届いた。皿の上でぷるぷると揺れる、どこかオッパイの形に似たプリンを松岡は凝視した。 「オッパイは揺れの描写が大事なんです。松岡の揺れは神レベル、なんてよくネットで言われてますけど、実際、揺れ、に関しては研究してます。僕の描くオッパイは世界でいちばんエロいオッパイだという自負はありますね」 あたしは苛立たしげにかりっと爪を噛んだ。ああ、オッパイオッパイオッパイ。そんなにオッパイが好きか? 外国にこんな逸話がある。 三人の女性と付き合っていて誰と結婚するか迷っている男がいた。そこで男は一人に一万ドルずつ渡してみた。 一人目は美容整形で目をいじり、二人目は男性が喜ぶ高級車を買って贈り、三人目は株に投資し、数倍に殖やしてみせた。結局、男はどの女性と結婚したのか? いちばんオッパイの大きな女だ。
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