第3章 イケメン漫画家の裏の顔は…

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* アポなし訪問 マンション近くの植え込みに腰を下ろし、あたしは下校していく小学生の列をぼんやりと眺めていた。 手に挟んだタバコから白煙がゆらゆらと立ちのぼっている。 子供たちの背中をぼんやり見ながら、最近のランドセルは赤と黒以外にもいろいろあるんだな、と思った。 子供はあまり好きではない。男の子を二人産んだ姉がどれほど苦労していたか知っていた。うるさくて計算高い。タカシとの結婚にいまひとつ乗り切れないのは、姉のことがあったからかもしれない。 隣に小学校があるマンション買うくらいだから、子供の好きのいい人なのかな?  今から会いに行く漫画家が、このマンションに住んでいた。 安藤先輩の話では、都内に他にもマンションを二つ所有しているそうだ。ここが職場兼住居で、残りは趣味のDVDやフィギュアなどを保管するロッカー代わりに使っているという。
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