第8章 コミケの大追走劇

26/32
568人が本棚に入れています
本棚に追加
/406
「まだ認めたわけじゃねー。専務にも社長にも話を通さなきゃなんねえ。そんとき、仮でもいいから雑誌名がないんじゃかっこつかねえだろ」 あたしがクリアファイルからプリントアウトされた紙を出した。そこには太いゴシック体で「コミック・エロスO」と印字されていた。 「大戸出版のOからとりました」 郷上が苦笑する。 「もう考えてやがったのかよ。ほんとお前ってやつは――」 郷上のポケットで内線電話が鳴った。 営業部の人間と話を始めた上司から意識を逸らし、あたしは窓の外へ顔を向けた。林立するビルの上に青い空が広がっていた。
/406

最初のコメントを投稿しよう!