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「終わった~梶~カラオケ行こうぜ!」
「あ~いいや」
「えぇ~なんでだよ~田嶋さん誘ってさっ」
案外、西澤が田嶋に入れ込んでいた。確かに可愛いし、サバサバしているのに女の子らしさもあって、西澤が今まで付き合ってきた子達とは違うから、いつも以上にアピール度が高い気がする。
俺も、あんな感じに思われてるんだろうか。
初めてのタイプに夢中になっているだけ。
そう思われていそう。
好きになっちゃいけない相手を好きになる事を楽しんでいる、とかさ。
そうなのかもしれない。
でも知らない。
ただ、好きなんだから、キスしたいし、触れたい。
それしかわかんないんだから。
拒絶されるかもしれないと不安に思いながらも、美術室へと向かった。
美術準備室は最上階にある、棟は違うけど音楽室同様にあまり使われない教室だから、テスト終了後の今なんて誰もいなかった。
廊下もキンと冷えている。
「は? 鍵?」
俺、中間終わったらここに来るって言ったよね?
なのに鍵とか掛けないでよ。
今まで昼に俺が来るの知っていたから、掛かってなかった扉の鍵。
何、来んなってこと?
廊下で待ってても寒いし。準備室はダメでも美術室には入れたから、そっちで待つ事にした。
暖房をつけてとりあえず座ってスマホでもいじってみる。
準備室に人が来れば音でわかる。
今日はテストだけで皆帰ったし、明日も休みだから、いくらでも待ってられる。
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