第1章

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「…………」 「えっあれ何この空気? 氷柱お前ちょっと部屋の気温下げ過ぎじゃない?」 「…………」 「だからなんでこういう時真っ先にあたしに振るのよあんたは!?」 「…………」 「あの…………詩織ちゃん……………?」 おどおどしながらもこういう場面で最初に動けるのは意外と千里であることが多いようで。 「…………いえ、別に気にしてないですよ? 元々友達と呼べる人なんか数える程しか居なかったですし去年その子がいなくなっちゃってクラスで多少会話がある程度の人達もその子の友達で友達の友達みたいな関係だったしその子がいなくなってしばらく私自分でも分かるぐらいやつれて荒んでましたし周りから距離置かれても仕方ないなって思いますし――――」 「悪かった! 俺が悪かったから!! いいよな海! 行こう海、みんなで行こう、なっ!?」 俯きながら低級の妖怪なら怯えて逃げ出しそうな呪詛のようなものを呟きだした女子高生を見てこれはマズイと事務所の代表が行動を開始する。 「海、いいですね…………! 行きましょうみんなで…………!」 「探偵さん、千里ちゃんも…………」
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