第1章

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「十分…………と言いたい所だけど、あたしも牛鬼の力を全て把握している訳じゃないしねぇ」 「端から無理と決めつけられないだけでも十分ですよ」 「よし、話も纏まった様だし行くとするか」 改めて海の家を出ていこうとする相一の背後に雪女の声で待ったがかかる。 「やる気満々なのは結構だけど、その問題の牛鬼の居場所は分かってんの?」 「おいおい、俺を誰だと思ってるんだ? 頭脳明晰皆の頼れる所長だぞ、肝心の牛鬼の居場所なんか勿論見当はついてて――――」 「ちびっ子、頼める?」 皆の所長を完全に無視して黒髪おかっぱ少女に尋ねる雪女。千里眼を持つ少女は小さく頷くと、常に持ち歩いてるタブレットに手をかざす。 ザザザザザザ――――――と液晶に砂嵐が吹き荒れる。
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