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「乃里子さんのお説教が終わったら呼んでくれと言って…………」
『すまないが、もう一度あいつに代わってくれ。…………それと、余り男を甘やかすのは為にならんぞ。あいつの性格なら多少尻に敷くぐらいが丁度いいと思うが…………まあ何だかんだお前らはお似合いの仲だと』
「ぶふっ――――!?」
「?」
警察のお偉いさんと通話しているはずのクール系秘書が突然吹き出し、数分前と同じ様に机に突っ伏していた相一が視線だけで疑問を投げかける。
「な、何でもないです何でも!! ホラ所長! 乃里子さんが待ってます!」
相一の手に受話器を押し付けるとパタパタとキッチンに駆け込んでいく。その横顔は心なしか朱色が差していたように見えた。
「何言ったんですか?」
『お前みたいな上司を持つと大変だろうと言っただけだよ』
「俺ってそんなに頼りなく見えますか」
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