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『ああ。何でも全員が若い男性、それも容姿が優れた者ばかりがそういった事故に遭っているらしいんだ』
「えっと、つまり…………その断波海水浴場では最近イケメンばかりが溺れる事故が多発している、と」
『まあ、そういう事だな』
「…………別にいいんじゃね」
『良い訳あるか馬鹿野郎』
中の中、平均的な一般男性といった天柳相一がボソリと漏らした一言はしっかり拾われていた。
「いやだってあれっすよ世のイケメンの総数が減ればそれだけ」
『おいおい勝手に殺すな。幸い被害者の中で亡くなった人は一人もいない』
「ちっ」
『オイ。…………まったく、身内以外にはとことん冷たいやつだなお前は。ま、今はそれはいい。被害者達には若い容姿の優れた男性という以外にももうひとつ共通する点があるんだよ』
「イケメンで金持ちだなんて言ったら電話切りますからね」
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