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「海、ねぇ…………」
警察組織に詳しくない相一でもその立場が低くない事が分かる警視監という役職に就いている安曇野乃里子。彼女との通話を終えた相一はぼんやりと窓の外を眺める。
「なによ相一あんた海行くの?」
「ここからだと…………断波海水浴場が一番近いですね…………」
相一が通話をしている間すぐそばで据え置きゲーム機でレースゲームに興じていた二人が反応を見せる。
青白いツインテールが特徴の中学生ぐらいの少女、白山氷柱はいつも通り来客用ソファに寝転びながらコントローラーと一緒に体を左右に揺らしている。
その隣では、小さな体格に似合わないゴツイヘッドホンを首から下げた黒髪おかっぱ少女の三千千里が同じようにコントローラーを握りながら画面に映る自分のマシンに合わせて体を揺らしていた。
「海に行くって言っても仕事だからな。遊びに行くわけじゃ――――」
言いかけたその時、事務所の扉が勢い良く開かれ元気が有り余ってる感のある少女の声が飛び込んできた。
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