一冊のノート

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散々「宮沢さんと昨日のお笑いのテレビの話をして来たぜー」と、健太郎の自慢話を聞かされた。 若菜さんと会話。 俺はいつになったら出来るのやら……。 でもこのままだったら、本当に一生無理だと思う。 話すら出来ないまま高校を卒業するのが、目に見えていた。 ……ヘタレな俺、万歳だわ。 自分に嫌味を言いながら、帰宅の道を歩く。すると目の前に何かが落ちているのに気付いた。 ん? 何だ、あれ? ……白い……ノート? 近付いてみるとやはりノートで、道の上にぽつんと落ちていた。 こんな道端に? パッと見た感じは綺麗で、どうやら新品のようだ。 何でこんな所に落ちてるんだ? 誰かが落としてしまったのか? 新品を落とすとか、残念な奴だなぁ。 落ちているノートを少し眺めて、通り過ぎる。
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