一冊のノート

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自分が当たるのは嫌だけど、若菜さんが当たった時は嬉しいと思ってしまう。 無条件で若菜さんの声が聞けるからだ。 柔らかい、ふわっとした透き通るような声。 俺の好きな声だ。 いやしかし。若菜さんの声を聞く為にも、やっぱり俺が答えなければならん! よしっ。やるか。 教科書を開き、問題を書こうとノートを広げたが……。 残りのページ、もうないじゃん! 新しいノート買ってないし。 ……どうしようかな? 仕方ない、他のノートに書くか。 ……あっ。 そこで今日拾ったノートが新品だったことを思い出す。 落とした奴には悪いけど、このノートは俺が使ってもいいよな……? 僅かに抵抗はあったが、ぺらりと表紙を捲った。
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