46人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
「……大石君、何でここに?」
俺も、どうしてここに若菜さんがいるのか知りたい。
「俺は……」
そう言って顔を上げる。若菜さんを見て、ハッとなった。
若菜さんの手に、一冊のノートを持っていたからだ。
……まさか本当なのか?
仮説が徐々に真実味を帯びていく。
「……俺は。あんなさんに会いにきた」
意を決して、若菜さんを真っ直ぐ見据える。
若菜さんは信じられないような、何処か泣き出しそうな表情になる。
顔を俯かせた後、視線を上げてじっと見つめてきた。
「私も……。翔君に会いにきました」
その言葉で、信じられないくらい大きく心臓が鳴った。
……翔君て呼ぶ人は、ひとりしかいない……。
あんなさんだけだ……。
最初のコメントを投稿しよう!