は、初めまして

15/26
前へ
/167ページ
次へ
◇ 「まーた、宮沢さんを見てるのかよ?」 休み時間になった時に、健太郎がやって来た。 「いいだろ。見るぐらい」 「1年の時は違うクラスだったから、仕方ねーけど。2年では同じクラスになれたんだから、話し掛けにくらい行けよ」 呆れながら言ってくる健太郎。 「いつも言ってるけど、話し掛けに行けるんだったら行ってるっつーの」 「何を戸惑ってるんだか」 健太郎がはぁとため息を付いた。 何でこんなにも、女の子に話し掛けられないのか? まずその1 恥ずかしい。 まずその2 何を話していいか、分からない。 そしてその3――。 中学生の時のトラウマが、大きな要因だと思っている。 中学生ってのは、ちょっと異性のことを気になり出して、オシャレもするようになる。 かく言う俺もそのうちのひとりで、毎日オシャレをしていた。 ……今思えばやり過ぎてたんだがな。 それを分からない俺は、当時気になっていた子に気になってもらいたい一心だった。 女の子達からモテたかった。 しかしそんな心とは裏腹に、女の子達から言われたのだ。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加