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◇
「まーた、宮沢さんを見てるのかよ?」
休み時間になった時に、健太郎がやって来た。
「いいだろ。見るぐらい」
「1年の時は違うクラスだったから、仕方ねーけど。2年では同じクラスになれたんだから、話し掛けにくらい行けよ」
呆れながら言ってくる健太郎。
「いつも言ってるけど、話し掛けに行けるんだったら行ってるっつーの」
「何を戸惑ってるんだか」
健太郎がはぁとため息を付いた。
何でこんなにも、女の子に話し掛けられないのか?
まずその1 恥ずかしい。
まずその2 何を話していいか、分からない。
そしてその3――。
中学生の時のトラウマが、大きな要因だと思っている。
中学生ってのは、ちょっと異性のことを気になり出して、オシャレもするようになる。
かく言う俺もそのうちのひとりで、毎日オシャレをしていた。
……今思えばやり過ぎてたんだがな。
それを分からない俺は、当時気になっていた子に気になってもらいたい一心だった。
女の子達からモテたかった。
しかしそんな心とは裏腹に、女の子達から言われたのだ。
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