思わぬご褒美

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「もしかして手作り? マジかよ!?」 健太郎が驚いている。 もらった本人の俺は嬉しさの余り、フリーズ。 「代表者で上手くいかなかったみたいだから、バカだろ? とか思っていたけど。何か上手くいってるじゃん。よかったな弘翔」 ばしっと俺の背中を叩いた。 まるで自分のことのように喜んでくれる健太郎に、俺も嬉しかった。 「ダメかなとか思ってたけど。もうちょい頑張るわ」 「おー、その粋だ。その調子で今日は話し掛けに行こーぜ」 「それは出来ん」 「何でだよ!?」 だから何回も言っているが、自分から行くのは緊張するんだよ。 「それより、そのクッキーは家に帰って食べるのか?」 ふたりで教室に歩き出す。 「もったいなくて食べられないって!」 「はぁ?」 俺の言葉にびっくりした健太郎の足が止まった。 冷凍にでもして、このクッキーは残しておきます。 「……まぁ、上手くいくといいな」 と、健太郎は呆れるのであった。
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