一冊のノート

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それからと言うものの、若菜さんを目で追いかける日々。 学校に来てる理由の殆どは、若菜さんに会いたいからだ。 「他に好きになる子が出来るまで、宮沢さんを好きなままでいいんだよ」 「それじゃあ一生彼女出来ねーな」 にししと悪い顔で笑う健太郎。 一生出来んこともないだろう……。 冷ややかな視線で見ていると、それを感じ取ったのか。 更に意地悪く笑う。 「じゃあ宮沢さんと喋って来よー」 と、軽い足取りで宮沢さんの所へ行きやがった。 あ、あいつめ……! 健太郎は若菜さんに話し掛けに行くことが出来る。 だから特に用事がなくても、俺の見せ付けに話し掛けに行くことがある。 俺も俺で、健太郎にくっ付いて話し掛けに行けばいいのに……。 それすら出来ない小心者……。 自分でも嫌になるわ。
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