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ハヤトと呼ばれた少年は、氷の入ったグラスを軽く振りおかわりを告げる。
金髪の少年が彼のクロスを引っ張り、横顔に覗く口元が「ウルサイ」と動くと、ウタさんの顔にも苦笑いが浮かぶ。
少年の手にはアルコールらしき色をしたタンブラー。
見た目では若く見えるが、年齢確認をしているのだから未成年ではないのだろう。
テーブルを照らす淡いオレンジ色のライトが液体に透き通り、それが傾くと尖った喉仏がごくりと上下した。
年齢を尋ねるが、ウタさんはどうだったかな?と曖昧な返答しか返さない。
後から聞いてみれば、本人が明かさない個人情報をウタさんやヨウちゃんが口に出すことは絶対にないとのことだ。
彼はやれやれ、とカウンターキッチンに戻っていった。
「あの二人は僕なんかよりずっと長くここに通ってるし、出現率も他の常連と比べても桁違いに高い―――どこからそんなお金が湧いてくるのかは知らないけど、ウタさんからしたら、弟たちみたいなもんなんだ」
だから基本的にウタさんは長時間彼らの前を離れない。
他にも理由があるそうだが、詳しいことはショウさんでもわからないそうだ。
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