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僕もヨウちゃんに癒されに時々来てるからまた縁があれば…
ショウさんはそう言うと、慌てて荷物を片付けて帰ってしまった。
パタン―――
「あれ?ショウ、帰ったの?」
水の流れる音がする。
オレンジ色のライトを金色の髪の毛に照らす、”リュウ”が目の前に立っていた。
整った顔立ち、通った鼻筋に、線の細いライン。
無駄なく筋肉がついていることも、袖から伸びた腕やふくらはぎから見て取れる。
怖いほど美しい少年に思わず見惚れていると、思ったより冷ややかな声が耳を刺した。
「質問に答えてくれる?」
俺は今、質問をしたんだ。そう言って口元から笑みを消す。カウンターで楽しそうに談笑していた少年とはまるで別人、そんなものはありもしないのに、喉元に刃物の切っ先を宛がわれているかのような錯覚まで起こす。
「彼は時々おしゃべりが過ぎるんだよね」
レンズの向こうでキラリと瞳が光る。
「この店であんまりで出しゃばると、オバケが出るから気を付けて?」
お化け。化け物。
ついでだから教えてあげるよ、と言う目は冷たく開かれたまま。
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