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織田信定(おだのぶさだ)は、尾張の国から二千の兵を引き連れて、
京の都へと視察にやって来ました。
都は、応仁元年から継嗣(けいし)騒動や他に幾つかの問題を抱え、
幕府は分裂して十年ほど内乱を勃発した後でしたが、
その内乱の煽りは諸国にまで広がり、時の征夷(せいい)大将軍、足利義政の権力は地に墜ちたのでした。
都には、内乱や飢饉で白骨化した遺体などが、
あちこちに無造作に放置されて在りました。
良く見ると、餓死寸前の庶民が喘ぐ姿も、
移動する度に幾人かづつ見受けられました。
「臭いでよ~~~
これが栄華を誇った足利幕府だぎゃっ!」
視察する織田信定は、騎乗からそう叫ぶのでした。
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