第1章 約束のリボン

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「そんなことより、今日は始業式だろ?仲のいい友達、ちゃんと作れよ?」 話題をそらすため、あえて妹を心配する兄を演じる。 【朝田 芽衣】 「兄さんに言われたくないな…」 「なんでさ?」 【朝田 芽衣】 「兄さんが友達と遊んでるところ見たことないもん」 んー、痛いとこつくな。 「俺のことはいいの、確かに学校外での友達付き合いは少ないけど、学校内ではちゃんとやってるさ。」 そう、この言葉に嘘偽りはない。 中学の時から、放課後の部活動や友達とどこかに出かけるといったことは特にしてこなかった。 誘われることは何度もあったが、その度になにか適当な言い訳を考えて、断ってきた。 正当な理由_______決してそんな理由ではないが 芽衣に関する、ある理由があっただけだ。 まあ、そんなこと当人は考えもしないだろうが…
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