第1章 約束のリボン

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一方で事故後の俺は、どこか落ち着いておらず他人を気にし、目線を、言動を、仕草を気にするようであったそうだ。 事故後のショックで記憶喪失を起こしているのであれば、仕方のないことだと判断され、深く検査されることはなかった。 当然カウンセリングは行われたが… 俺としては記憶を失っているのか、どうかはわからないのだが… (それにしても、今の今まで思い出すことはなかったな…) ふぅと一息ついて、感慨にふけっている時には日は登り始めていた。 「……、くしゅっん」 (寒っ、部屋に戻るか…) 4月に入ったからといっても、まだ4月7日の午前5時過ぎ。
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