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見慣れた街並みを眺めながら裏道に入る。 「ここだけいつも暗いんだよね…」 その裏道には使われていない建物がたくさんあってかなりひっそりとしている。 歩いていると何かの小屋であったであろう建物の中から音が聞こえるのに気づいた。 「あれ、誰かいるのかな。」 その物音は何かが物にぶつかるような音だった。 建物の中は真っ暗で目を凝らしてもなかに入らないと何がいるのか判断もできない 不思議に思いながらも一歩足を踏み入れた アンリの足音が建物の中に響くと一番大きな物音が聞こえた。 私の足音にびっくりしたんだ… アンリは面白くなって声をかけた 「ねぇ、誰かいるんでしょ!!」 そういいながら奥へ進むと人が見えてきた。 その人は壁に持たれて膝を抱えている。 「どうしたの?暗くないの?」 声をかけると顔をあげてこちらをみた。 「気にしないでいいよ。」 気の弱そうな声が聞こえた 声からして男の人のようだ 「暗いと何も見えないじゃない、だからさっきあんなにぶつかってたんでしょ?」 おもわず笑ってしまった。アンリの無邪気な笑い声が建物の中に響く。 「うっ、うるさいな!気にしなくていいっていってるじゃないか!」 怒っている声が響く。ただその声はやはり疲れを滲ませていた。 「まってて!今明かりを持ってくるから!」 やっぱり疲れている人を放っておけないし、絶対に悪い人な気はしなかった。 走って来た道を戻り家の牧草をこっそり持ち運んだ。
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