最高の親孝行

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「物騒な世の中になりましたね」 「全くだ」 そのニュースを二人は微笑みながら見つめる。 「本当に、最高の親孝行だったな」 そう言い30代後半だと思われる男性は、封筒から紙の束を取り出した。 「ええ。多分これ以上の親孝行はないんじゃないかしら」 一方の女性も紙の束を眺めながら言う。 「本当に感謝してるわ。あの子には」 「ああ、あの親孝行があったおかげで俺たちは今幸せに暮らせている」 二人はしばらく紙の束を数えた後、笑いながら口を開いた。 「やっぱり持つべきものは…」 「「親孝行な息子だな(ね)」」 二人の視線の先には、笑顔でピースをする元気な少年が写る写真。 その写真にはこう書かれていた。 【世界一親孝行な息子――――― ――――――――――成田大聖】
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