気にする男

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  大変失礼な言い方だけど、 あたし自身の 好みじゃないこともあって、 編集長を男性だと 意識したことはなかった。 編集長がさくらさんと 付き合えるレベルの 男性だということに、 少しのショックと大きな驚き。 普段は気まぐれで 適当極まりないこの男のどこに そんな魅力があるのか──。 下世話な発想であることは 判っているし、 さくらさんの冷たい視線を 浴びるのは嫌なので、 口には出さないことにした。 「私が担当することになった 榊原先生とね、 昨夜急に飲みに 行くことになって…… それが、この来栖編集長までご指名で」 .
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