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起きた瞬間気になったのは、
メイクをしたまま
眠ってしまったことだった。
短時間だったことと、
部屋が涼しかったこととで
肌にそう変化はないようだった。
なんとなく、ホッとする。
そっとドアを開け、
声をかけて起こしてくれた
織部先生は、
真っ先に鏡を覗いた
あたしを見て
「気になるならまず寝ろ」と笑った。
恥ずかしくて
笑い返そうとした瞬間、
自分の周りに織部先生の匂いが
残っていることに気付いた。
……またしばらく、
人知れず胸の動悸と戦った。
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