第3話

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   「最悪の場合、友香の父親の会社は……」 「陸、どういうことなの?ちゃんと説明して」 言葉を荒げたわたしに、陸は深い溜め息を落とす。 「彩夏が裏でゴチャゴチャやってるんだよ」 「……っ」 あの人が……。 深く傷ついた表情の彼女が脳裏に浮かんだ。 この前のことが、影響しているのは間違いない。 わたしと陸の関係を調べて、仕事の妨害をするなんて。 「陸、お願い。わたしを自由にして。そうすれば、あの人だって、きっと赦してくれるはず」 そうよ。わたしが陸から離れさえすれば……。
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