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違うと否定したいのに言葉に出来ないのは、それが事実だからだ。
「……な……んで」
全身の血液が逆流していくようだった。
足に力が入らず、立っていられなかった。
崩れるようにソファーに蹲るわたしに愛莉は冷やかに言葉を続ける。
「もう、あたしのことは放っておいて」
愛莉はそれだけ言うと、部屋を一人で出て行った。
「友香、大丈夫か?」
陸の言葉に首を振ることしか出来なかった。
「愛莉を、送っていって……」
「友香」
「大丈夫、だから。愛莉をお願い」
陸は頷くと、車のキーを持って、愛莉を追いかけるように出て行った。
それを見送って、両手で自分を支えるように抱しめた。
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