第4話

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   誰かがわたしの名前を呼んで、乱暴に身体を揺さぶった。 止めて。 わたしを起こさないで。 「友香っ、しっかりしろ!!」 もう、止めて。 わたしに触らないで……。 「おいっ、友香っ!! くそっ。あ、もしもし、悪い、今から診てくれ。頼む、ああ、女が手首を切った。直ぐそっちに向かう」 手首をギュッと、タオルのようなもので巻かれた。 イヤ、離して。 抵抗しようとするけれど、身体に力が入らない。 お願い、わたしのことは放っておいて。 「……はな、して……」 重たい瞼を持ち上げると、必死の形相の陸が、わたしを抱きかかえるところだった。
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