第4話

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   「目が真っ赤だな」 そう呟いた陸は、上着を着ていなかった。 きっと、わたしの血で汚れたからだろう。 言葉が見つからず俯くわたしに、陸は優しい声色で話しかける。 「傷跡は残らないそうだ」 「そう」 「顔色もマシになった」 「……」 「いろいろ誤解があるようだが、話はまた今度」 陸はそう言って、立ち上がった。 「……わたし、入院するの?」 「入院と言っても、二日ぐらいだ」 「わかった」 病室を出て行こうとした陸が、不意に足を止めてわたしを見た。 「友香」 「なに?」 陸は黒曜石のような瞳でわたしを見詰めたままで、ゆっくりと口を開いた。
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