第4話

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    上半身を起こし、威嚇するように彼女を睨みつける。 一連の出来事に彼女は深く関わっている。 わたしを拉致しようとしたのは、彼女しか有り得ないのだ。 もしかすると、愛莉を唆したのも、彼女なのかもしれない。   彼女の視線が何かを見つけたように、わたしの左手首で止まった。 次の瞬間、彼女の口角が僅かに上がる。 その一瞬の表情をわたしは見逃さなかった。 「手首を切ったんですって?本気で死のうと思ったの?」 「貴女には関係ありません」 きっぱり言い切ると、彼女は手にしていた花束をベッドの上に投げるように置いて、 それからわたしの瞳の奥を覗きこむようにじっと見詰めてきた。
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