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「さっきも言ったでしょう。貴女を助けてあげるって。
お金で縛られて陸の元にいるのなら、わたしがそのお金を用意してあげる。
幾ら欲しいの?言ってみて?」
「お金なんて」
「遠慮しなくていいの。
その代わり、お金を渡したら、陸の前から姿を消して欲しいの。永遠にね……」
途端に彼女の顔から表情が消えて、細い腕がわたしに向かって伸びてきた。
彼女の指がわたしの首に絡みつく。
「やめ、っ、ぐっ」
彼女の細い腕のどこに、こんな力があるのか。
振り解こうにも、彼女の腕はピクリとも動かない。
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