第4話

27/38

510人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
   「さっきも言ったでしょう。貴女を助けてあげるって。 お金で縛られて陸の元にいるのなら、わたしがそのお金を用意してあげる。 幾ら欲しいの?言ってみて?」 「お金なんて」 「遠慮しなくていいの。 その代わり、お金を渡したら、陸の前から姿を消して欲しいの。永遠にね……」 途端に彼女の顔から表情が消えて、細い腕がわたしに向かって伸びてきた。 彼女の指がわたしの首に絡みつく。 「やめ、っ、ぐっ」 彼女の細い腕のどこに、こんな力があるのか。 振り解こうにも、彼女の腕はピクリとも動かない。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

510人が本棚に入れています
本棚に追加