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「陸は、わたしじゃダメだと言うの。何も感じないんですって」
「なっ」
彼女の蝋人形のような表情に、ゾッとして背筋が寒くなる。
本気でわたしを殺すつもりなのかもしれない。
彼女に首を絞められ、もがく様にその腕を掴む。
「は、なし、てっ」
強い力に為す術もなく、次第に視界がかすんでいく。
「ねぇ、わたしにも見せて。陸は首を絞めながらあなたを抱くんでしょ?
貴女、どんな顔をして陸に抱かれているの?」
「……ぅ」
唄うような彼女の言葉を聞きながら、わたしは意識を失った。
次に目が醒めたとき、わたしは病室に一人きりだった。
夢を見ていたの?
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