第4話

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  「早く連れていって……」 誰もいないところに。 わたしを抱きかかえる陸の体温を感じながら瞼を閉じる。 不思議だった。 憎んでいるはずの陸の腕に抱かれて安心するなんて。 それだけ心が疲弊しているのかもしれない。 そう理由付けて、考えることを放棄した。 「友香」 「なに?」 「……いや、何でもない」 戸惑うような陸の声に気付かないフリをする。 陸が誰を愛して、何を望んでいようとわたしには関係ない。 今だけでいい。 ただ、ゆっくり眠らせて。
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