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「中華好きだっただろ?」
「…………」
確かに好きだった。
特にエビチリは大好物で、空とのデートで中華料理店に行けば、必ずと言っていいほど注文していた。
「わたしのことは、本当に何でも知ってるのね」
溜め息混じりに呟くと、話題を変える様に陸が話し始めた。
「わかったことだけを端的に言うと、友香の父親は銀行だけでなく、闇金にも多額の借金があったようだ。
あの家は、その借金のカタにとられたらしい。
今は、三人で町外れの小さなアパートに暮らしている」
「……愛莉はどうしてるの?」
「あれからは、大人しくしているよ」
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