第4話

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  「中華好きだっただろ?」 「…………」 確かに好きだった。 特にエビチリは大好物で、空とのデートで中華料理店に行けば、必ずと言っていいほど注文していた。 「わたしのことは、本当に何でも知ってるのね」 溜め息混じりに呟くと、話題を変える様に陸が話し始めた。   「わかったことだけを端的に言うと、友香の父親は銀行だけでなく、闇金にも多額の借金があったようだ。 あの家は、その借金のカタにとられたらしい。 今は、三人で町外れの小さなアパートに暮らしている」 「……愛莉はどうしてるの?」 「あれからは、大人しくしているよ」
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