510人が本棚に入れています
本棚に追加
「逢ってるの?」
「いや。たまに連絡が来るだけ……」
言葉を濁す陸に、それは嘘だと確信する。
もしかすると、陸が愛莉にお金を渡しているのかもしれない。
「あの子、この前は言い過ぎたと反省してた。だから、友香も気にするなよ」
「…………」
それも、嘘だ。
一体、何の為に陸は嘘を吐くのだろう。
「……父の会社の経営状態はどうなってるの?」
「定期的に大きな仕事を回している。銀行にも融資させているし、特に問題はないだろう」
「前に言っていた彼女の妨害は?」
「手は打った。その心配はしなくていい」
「……そう」
それが、真実であればいい。
今のわたしには、そう願うことしか出来ないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!