第4話

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  「ごちそうさま」 「友香」 席を立とうとするわたしを陸が名前を呼んで引き止めた。 「なに?」 椅子に座りなおして陸に視線を向けると、陸は切れ長の黒い瞳でわたしを見据えた。 相変わらず、何を考えているのかわからない瞳。 見慣れてしまえば、きっと気付きもしない。 陸は、何かを諦めているのだ。 「あの家を取り戻すのは、難しい」 少しの間の後、陸が申し訳なさそうにそう告げた。 ……ああ、そんなこと。 小さく息を吐く。 「いいの。取り戻したって、もう住めないから」 借金の取立てにあっていたのだ。きっと、噂になっていたに違いない。 どれだけ辛い思いをしたのだろう。想像するだけで胸が痛む。
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