第4話

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   「紅茶をどうぞ」 絶妙のタイミングで陸がわたし達に紅茶が入ったティーカップを差し出した。 その瞬間、愛莉から刺々しいオーラがスッと消えていく。 その愛莉の様子を見て胸騒ぎがした。 愛莉の表情が女特有の厭らしいものに変わったからだ。 「陸さん」 愛莉が媚びるように陸を見詰めて身体をくねらせる。 愛莉、止めて。 そう言いたいのに言葉にならない。 陸は、首を少しだけ傾けて愛莉に視線を移した。 愛莉はもう陸しか見ていない。 自分の魅力を最大限に引き出すように、上目遣いで陸を見詰める。
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