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陸の手に自分の手を重ねて。
チェリーのような赤い唇を開いた。
「陸さん、この人なんか止めて、あたしを愛人にして?」
「愛莉、何を言ってるの」
震える拳をキツク握り締めて愛莉を睨む。
けれど、愛莉はわたしの存在を無視するように言葉を続けた。
「あたしの方が陸さんを満足させられると思うの。
あたしの身体、凄く綺麗なんだって。みんなそう言って、喜んでくれるの。
だから、陸さん。この人じゃなくて、あたしをここに置いて?」
「…………」
信じられなかった。
愛莉から出てきた言葉とは思いたくなかった。
……どうして……。
愛莉に何があったの?
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