第4話

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  頭の片隅でこれ以上はダメだと警告音が鳴っていた。 けれど、わたしは一度流れ出した感情を止めることが出来ない。 「あんなことをして、恥ずかしくないの?」 「は?」 「とぼけるのは止めなさい」 頬を押さえた愛莉がゆっくりと顔を上げて、わたしを睨んだ。 「何も知らないくせに、勝手なことを言わないでよ」 「愛莉」 「気安く名前を呼ばないで!あたし達を見捨てて家を出て行ったクセに、偉そうになんなの!」 「見捨てたりしてない」 「嘘よ!ここで愛人なんてして、楽に暮らしているじゃないっ」 愛莉は、身体を震わせながら涙を拭った。
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