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もう誰も。
わたしに触らないで。
血が出るほど唇を噛んで、久保さんを睨みつけた。
「勝手なことばかり……」
感情が溢れ出て、涙が零れる。
腹立たしいのは、わたしが少しでも陸を信頼していたことだ。
「僕を頼らないと、きっと後悔するよ?」
例えそうだったとしても、久保さんのモノにはならない。
そんな強い思いで、久保さんを睨み返す。
「本当に、何もわかってないんだね?」
「……っ」
「君が邪魔だと言ってるんだ」
そう言うと、久保さんの顔から笑みが消えた。
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