第5話

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   もう誰も。 わたしに触らないで。 血が出るほど唇を噛んで、久保さんを睨みつけた。 「勝手なことばかり……」 感情が溢れ出て、涙が零れる。 腹立たしいのは、わたしが少しでも陸を信頼していたことだ。 「僕を頼らないと、きっと後悔するよ?」 例えそうだったとしても、久保さんのモノにはならない。 そんな強い思いで、久保さんを睨み返す。 「本当に、何もわかってないんだね?」 「……っ」 「君が邪魔だと言ってるんだ」 そう言うと、久保さんの顔から笑みが消えた。
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