第5話

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   心境の変化には自分でも気が付いていた。 心のどこかで陸を必要としていても、それは一過性のものに過ぎない。 時期が来れば、わたしはまた陸を憎むようになるだろう。 きっと……。 「冷める前に食べましょう」 ニコリと取繕うように笑って、二人分のグラスにお茶を注ぐ。 陸は何も言わず、そのお茶を口に含んだ。 「明日は、外で食事をしよう」 「でも、」 「七時に迎えに来る」 「……わかった」 どうせ嫌だと言っても、聞き入れてはもらえない。 反論するだけ無駄なのだ。
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