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心境の変化には自分でも気が付いていた。
心のどこかで陸を必要としていても、それは一過性のものに過ぎない。
時期が来れば、わたしはまた陸を憎むようになるだろう。
きっと……。
「冷める前に食べましょう」
ニコリと取繕うように笑って、二人分のグラスにお茶を注ぐ。
陸は何も言わず、そのお茶を口に含んだ。
「明日は、外で食事をしよう」
「でも、」
「七時に迎えに来る」
「……わかった」
どうせ嫌だと言っても、聞き入れてはもらえない。
反論するだけ無駄なのだ。
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