568人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように取り留めない言葉を交わして食事を終える。
明日、外食だなんて……。
今まで頑なにわたしを誰にも逢わせようとしなかった陸。
嫌な予感がするのは、気のせいなんかじゃない。
平静を装っているつもりでも、陸の仕草や言葉尻から苛立っているのが伝わってくるからだ。
食器を片付けて寝室に戻ろうとすると、不機嫌な声で呼び止められた。
「友香」
「なに?」
「薬、飲んでないだろ?」
「……今日は、飲みたくないの」
そう答えると、陸は口角を上げて意地悪な笑みを浮かべた。
「もしかして、俺に飲ませて欲しいのか?」
最初のコメントを投稿しよう!