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「……っ」
この前の出来事が脳裏に蘇って頬がカッと熱くなる。
陸に付けられた情事の痕は既に消えてしまったけれど。
あの時の陸の体温だけは、今も消えずにわたしの肌に残っていた。
「友香?」
「あんな真似は二度としないで」
声を荒げると、陸はクククと喉で笑った。
陸をキッと睨みつけて、ドアノブに手を掛ける。
「そんなに怒るなよ」
陸の声を背中で受け止めながら、わたしはバスルームに駆け込んだ。
陸の言葉一つでこんなに動揺するなんて。
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