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「ここで寝ると風邪を引く」
グイと、肩を掴まれて起こされた。
「……陸?」
ぼやけた視界の先に見えるのは陸。
そう、ここには、陸と二人きり。他の誰も居ないのだ。
そんな当たり前のことを確認するように手を伸ばす。
陸の腕をギュッと掴むと、そのまま抱き起こされた。
陸からわたしと同じボディソープの香りがする。
なぜだか胸の奥がむず痒いような感覚になって、また瞼を閉じる。
「身体が冷えているじゃないか」
陸はため息まじりにそう言うと、わたしを横抱きに抱え上げて寝室に向かった。
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